平成25年度「地(知)の拠点整備事業(大学COC事業)」採択 地域志向「教育改革」による人材育成イノベーションの実践

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お知らせ(平成26年度)

一般社団法人人と組織の学校×金沢工業大学
イノベータ講演「フューチャーセッションで行動を変えよう!」

2014.12.22

フューチャーセッションについて説明する野村教授

 文部科学省「地(知)の拠点整備事業」の一環として、一般社団法人「人と組織の学校」(金沢市)と連携し「イノベータ特別講演~フューチャーセッションで行動を変えよう!」を平成26年12月22日(月)午後5時から12号館1階アントレプレナーズラボで開催した。 フューチャーセッションとは、企業、政府、自治体などのあらゆる組織の壁を越えた対話を通して、新たな関係性を構築し、そこから新たなアイデアや問題の解決手段を見出すグループディスカッションである。問題・課題を抱える当事者だけによる議論では同じ思考に偏り、イノベーションを創出することが難しいが、この手法では、問題を俯瞰的に捉え、異分野の参加者がそれぞれの視点からお互いに未来思考で対話するようファシリテーターがデザインするため、気軽に誰でも主体的に参加できるメリットがある。また「人と組織の学校」では、地元企業の成長・発展を応援しようと「組織は人によって変わる。より良い人間関係の構築が大事だ」という選択理論心理学を活用した社会人向け人材育成プログラムを提供しており、今回の連携を通じてこれまでのプログラムで提供しているポジティブ心理学からフューチャーセッションによって社会イノベーションを起こす行動のプロセスを体験する取り組みも行った。

  当日は、金沢市、野々市市の自治体職員、地元企業関係者、学生、まちづくりに取り組んでいる社会起業家、地域住民の約50人が参加。欧州で始まったフューチャーセッションの取り組みを日本国内で展開している虎ノ門大学院ビジネスアーキテクト専攻の野村恭彦教授がファシリテーターとなり、これまでにないグループディスカッションを繰り広げた。

「未公認のリーダーシップ」で地域に元気をしよう!


未公認のリーダーシップについて話し合う受講生たち

  今回のテーマは「未公認のリーダーシップ」。リーダーシップといえば、組織やチームのトップが持ち、チームを先導・牽引し、それをフォローする人たちがいるといったイメージを考えるが、今回のテーマは、誰かにフォローされたリーダーではなく、誰の許可もなく、自らの想いでリーダーシップを発揮できる人物像にせまること。今の社会で求められているリーダーシップとは「誰かに言われたから動く」のではなく「目的に向かって大きな動きを引き出すリーダーシップ」であり、これを続けることで共感が広がり、それが新たなムーブメントを起こし、社会イノベーションとなり、社会変革をもたらすものになるというものである。

受講生らは、まず「自分ならできる」と思う未公認のリーダーシップ像を描き、会場内で“共感”できる仲間を探しあった。この時点で組織や所属、役職などは全く関係なく、自治体の職員と学生、企業人と地域住民、いろいろなグループが出来上がり、一人の社会人として自分ができる・やりたいという想いを誰かと共感できると、自信と期待感が生まれる。まさしくそれがイノベーション(行動)を起こす原動力である。そして仲間を見つけると、そのリーダーシップでどのように社会が変わるか“未来の夢”を共有した。そして数年後、新聞の一面に「自分たちのプロジェクトがKITと地域を変えた」という記事が取り上げられたことを想定し、模造紙に未来新聞を描き発表しあった。


未来新聞を発表する受講生

 グループは4~6人の全14チーム。「ガクショクが行政と連携!一人ぼっち朝食で学生と地域住民の交流始まる」「KITから学生起業家100名突破!」「地域貢献ポイントで初の卒業生輩出」「野々市スマイルピック開催決定!笑顔のスタンプラリーが市民の生きがいを見つけた」など未公認のリーダーシップによる社会イノベーションについて30秒のショートプレゼンで提案しあった。内容はどれも枠に捉われない自由な発想と希望に満ちた提案で、楽しい未来が想像できる。一人ひとりのリーダーシップで本当に社会が変わるのではないかと思わせるような楽しい内容であった。

  最後に、参加者全員で一つの輪となり「自分自身にとってのリーダーシップ」について一言ずつ話した。これはお互いに傾聴して想いを共有し、場の一体感を生み出すこと目的としていたが、すると「先に描いた未来新聞の夢を実現するために行動する」というリーダーシップを発揮し、夢の実現に向かって行動を宣言する受講生が現れ、講座は良い雰囲気で終了した。

 「フューチャーセッション」の手法は全国でも注目を集めており、COC事業に選定されている熊本県、京都府、岐阜県、静岡県等の大学でも取り入れつつある。本学としても、全学的な地域志向への取り組みを目指している中で、より地域と連携し、社会に必要とされる大学であり続けるためにも、今後はフューチャーセッションの手法を活用して楽しい未来の夢を描きながら、地域にイノベーションを起こす教育研究活動を展開していきたい。
3月6日(金)には「KIT-COCフォーラム」を開催する予定であり、連携する野々市市・金沢市・白山市・加賀市の自治体職員、学生、教職員、企業、社会起業家、地域住民らによるフューチャーセッションを開催し「未来の地域」について地域全体で共有を図りたい。

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