平成26年12月5日(土)14時、金沢工大1号館益谷記念室にて「平成26年度金沢工業大学と金沢市の連携推進会議」を開催した。冒頭、石川憲一学長より「協定締結より丸6年。昨年度選定された「地(知)の拠点整備事業(大学COC事業)」も貴市の協力により順調に進んでいる。これからも地域のために貢献できる大学でありたいと思っている」と挨拶した。また濱田厚史金沢市副市長より「北陸新幹線金沢駅開業まで99日。人、モノ、情報が融合し、新しい金沢の魅力創出をしていく必要がある。世界の交流拠点を目指している本市としても金沢工大は不可欠な存在であるの。今後とも連携を強化していきたい」と挨拶された。
その後、本年の連携活動の8つのプロジェクトについて活動報告(下表参照)と今後の展開について審議が行われた。金沢市からは、北陸新幹線金沢駅開業に伴う金沢の魅力PRに向けて効果的な発信を行うとともに、公共情報のオープンデータ化推進やその活用、新たな歴史遺産保存活用と専門技術・知識を有する人材育成における協力を要望された。また、本学からも3次元レーザー測量技術の活用や、市立工業との教育連携、多様な専門分野との連携強化を求める声が上げられた。また、最後に福田崇之連携推進室長から大学COC事業の進捗報告が行われ、「学生・教職員による地域課題をテーマとした教育研究プロジェクトの発足や、アントレプレナーズラボを通して地域住民や企業が関心をもって学ぶ場が定着しつつある。今後は地域課題の解決を目的に学生・教職員・市民・社会がともに学び、相互に解決策を創出する場の構築と、解決に向けた実践に取り組むプロジェクト発足とそれを支援する体制の整備強化が必要である」と今後の発展した活動への理解を求めた。
北陸新幹線金沢駅の開業は平成27年3月14日。新しい金沢、世界の交流拠点金沢の実現に向けて、学生・教職員・市民・社会が連携し、「コト」を起こして地域発のイノベーションを実践できるよう今後も支援していきたい。
金沢工業大学 | |
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学長 | 石川 憲一 |
副学長 | 佐藤 恵一 |
専門基礎教育部長 | 鹿田 正昭 |
ライブラリーセンター長 | 竺 覚暁 |
大学事務局長 | 福田 謙之 |
産学連携機構事務局長代理 連携推進室長 |
福田 崇之 |
金沢市 | |
副市長 | 濱田 厚史 |
市長公室長 | 当田 一博 |
都市政策局長 | 相川 一郎 |
経済局長 | 八田 誠 |
教育長代理教育次長 | 宮下 毅 |
市民局長代理市民協働推進課長 | 東 利裕 |
(目的)賑わい創出事業を通して、地域と学生が一体となって取り組む中心市街地の活性化事業の実践と、今後のあり方を検討する。
「金澤月見光路2014」の開催 | 概要 「金澤月見光路」事業を通して、地域と学生が一体となって取り組む中心市街地の活性化事業の実践と、今後のあり方を検討する。 報告内容 10/10-12金澤月見光路2014実施。産学連携によるオブジェ開発に取り組む。 |
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金沢駅通り線「ほしあかり」(学生とのまちづくり協働研究) | 概要 金沢駅前から武蔵が辻の駅通り線で夜間景観に配慮した光のアートオブジェを制作。賑わい創出の演出について検討を行う。 報告内容 オブジェの発光色の変化による視覚効果を検討。 |
金沢駅もてなしドーム「鼓門」プロジェクションマッピング | 概要 金沢のおもてなしの玄関口である金沢駅鼓門に対する、光の演出「プロジェクションマッピング」の手法について検証を行う。 報告内容 学生による映像投影型、参加型コンテンツ(Kinect編)の実証実験。テーマは「つなぐ」。北陸新幹線開業PR事業。 |
(目的)学都金沢にふさわしく、学術とのつながりによる優秀な人材供給、ものづくりの技術力の高さを発信し、高等教育機関の高い集積度を活かした新たな企業進出や技術開発支援を推進する。
金沢市産学連携事業運営委員会(先端ものづくり技術交流セミナーの開催) | 概要 企業の技術開発者等を対象に、最新技術動向等を紹介するセミナーや技術交流会を開催。 報告内容 技術交流セミナーへの講師派遣。 |
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(目的)歴史都市として蓄積された資料や歴史的建造物等の保存と活用を図るとともに、国際ワークショップなどの開催等を通じて、歴史都市としての魅力を世界に発信する。
金沢歴史建築アーカイヴス作成事業 | 概要 金沢市が保有・保管する建築等に関する貴重な歴史遺産関連資料を収集し、デジタルデータ化し、広く一般に公開。 報告内容 10/15-26アーカイヴス公開展示会開催。文化財建造物紹介。 |
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金沢市伝統構法木造建築耐震性向上マニュアル講習会の開催 | 概要 木造建築物の伝統構法における耐震性能技術を理解した建築技術者育成のための講習会開催。 報告内容 実物の木造建築物を教材に現地調査、耐震診断、補強計画策定の演習。27名修了。 |
(目的)建築物やまちなみを対象に学生の視点を通したまちの新たな魅力の創造及び発信を図る。
金沢の建築文化発信事業 | 概要 伝統的なまちなみや建造物を建築を学ぶ学生の視点から分析し、金沢の新たな魅力の創出、誘客促進につなげる活動を行う。 報告内容 長町・片町・寺町エリアを調査・データ作成(Vol3の完成は平成27年3月予定)。 |
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建築系モジュール科目 研究活動 | 概要 実際の都市の課題に建築的な視点による解決アプローチ学習。都市や建築・空間のデザイン提案を行う実践型教育研究活動。 報告内容 テーマは中央公民館長町館の再生計画への提案。(最終成果発表は平成27年1月予定) |
(目的)学生と市民との相互交流を促進し、学生とまちとの関係を深め、賑わいと活力を創出する。
協働のまちづくりチャレンジ事業(学生まちづくり部門) | 概要 市民と行政が協働し、提案型市民主体のまちづくりを推進。 報告内容 学生部門において金沢工大より1団体が入賞。(今後金沢市のPRコンテンツとして利用予定) |
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金沢まちづくり学生会議 | 概要 「学生のまち・金沢」宣言に基づき、学生の意識高揚を図り、学生と市民との相互の交流及び学生の自主的な活動を促進。 報告内容 金沢市及び周辺の高等教育機関に通う学生59名のうち、金沢工大より8名参加。 |
金沢学生のまち市民交流館運営事業 | 概要 金沢学生のまち市民交流館運営会議(金沢市と協働で運営を図る組織)の開催および運営 報告内容 開館から平成26年10月末で約7万人が利用。 |
「歴史的空間再編コンペティション2014」の開催 | 概要 全国の学生が集い、有識者が審査する建築設計の分野のコンペを開催。学生団体主体による運営・開催。 報告内容 学生団体「SNOU」80人(うち金沢工大60人)。全国から252件の応募。金沢工大大学院鎌田真輔君が準グランプリに入賞) |
新 慶応×金沢「学生のまち金沢」魅力発信交流プロジェクト | 概要 県外の学生と地元学生が交流し、地域を進化・発展させる社会実験プランを策定(実行は次年度) 報告内容 慶応義塾大学生30名と地元大学生30名(工大4名参加)がチームを作り社会実験プランを提案。 |
(目的)大学教員のアドバイスを活かしたものづくりに関わる人材育成と魅力ある学校づくりを推進する
研究テーマを通じた交流事業等 | 概要 ものづくりに関わる人材育成と魅力ある学校づくりを推進のため、交流事業等、招聘事業等を開催。 報告内容 高校生が金沢創造技術教育研究所に就業体験。大学講師による模擬授業。 |
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ゲストティーチャー招聘事業 | 概要 公開研究授業及び教科指導・公開課題研究発表会を開催。 報告内容 公開研究授業及び工業科目の教科指導研究会にて指導。公開課題研究発表会への参加。 |
(目的)情報通信技術を活用し、産学連携によるイノベーションを推進する。
KIT空間情報プロジェクトにおける情報提供 | 概要 金沢市におけるICT利活用促進。空間情報分野の産学官連携の在り方を検討し、空間情報分野におけるイノベーションの推進を図る。 報告内容 異業種交流・産学官連携によるワーキンググループ活動を実施。地上方レーザーによる公共測量適用検討。 |
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(目的)双方の人材を活用した各種交流等により、幅広い連携を推進する。
「プロジェクトデザイン」科目 研究課題 | 概要 プロジェクトデザインⅡの地域課題として自治体よりテーマを提供いただき、課題解決のための提案発表を行う。 報告内容 金沢市より6テーマを提供。全300チーム中約50チームが取り組み、代表チームが金沢市へ発表提案を行った。 |
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小中学校における「ネットいじめ防止講演会」の実施 | 概要 小中学生の情報リテラシーと情報モラルの向上を目指した取組を実践する。 報告内容 市内3つの小中学校で学生による「情報セキュリティ教室」を実施。 |
金沢海みらい図書館「ものづくりセミナー」 | 概要 新素材「炭素繊維」の理解向上とものづくりにおける資料(図書)利用向上を図る 報告内容 大学教授による炭素繊維複合材料に関する講義。 |