平成25年度「地(知)の拠点整備事業(大学COC事業)」採択 地域志向「教育改革」による人材育成イノベーションの実践

地(知)の拠点

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KITトピックス/活動報告(平成26年度)

Toiro(TOtalInstruction program Re-Organizing multiple subjects)プロジェクト 建築デザイン学科 准教授 下川雄一

プロジェクト概要

メンバー

代表者/環境・建築学部建築デザイン学科 准教授 下川雄一
環境・建築学部建築学科 准教授 円井基史
環境・建築学部建築学科 講師 須田達
工学部機械工学科 准教授 杉本康弘

参加者

学部1~3年次生 506名
研究室所属学生(大学院生含む) 10名
外部参加者数 13名

内容
  • 院生+4年生/BIM方式による英会話教室の設計プロジェクト
  • 3年生/野々市市富奥地区の外部休憩所の設計、野々市シャルソン、野々市の市のイベント支援、七尾市の旧北陸銀行のリノベーション
  • 1~2年生/野々市市の2地区のまち調査+活性化提案、報交流館カメリア主催「カメリア祭り」の空間演出+チャレンジ教室開催、ライトアップinカメリア

活動報告

建築を主軸に地域を支援

Toiroプロジェクトについてご紹介させていただきます。本プロジェクトは、環境・建築学部建築デザイン学科・建築学科、工学部機械工学科から成る建築系を主軸としたプロジェクトです。
「Toiro」という名前の通り、建築にはさまざまな分野があり、その幅広さゆえに授業では断片化された状態で学びがちになのが現状です。しかし建築は総合的なものであり、できる限り課外に学びの場を求めるべきであるという考えのもと、展開しているプロジェクトです。また、プロジェクトを通じて学生自身が、人間力、総合力を向上できる機会であってほしいと思っています。

学年ごとに体系化されたプロジェクトを推進

Toitoプロジェクトは本学が「地(知)の拠点整備事業」(大学COC事業)に採択される以前から活動を始めており、年々活動内容が増えてきました。
具体的取り組みとして、1年~2年生は家具製作から始まり、野々市市の情報交流館カメリアで開催される「カメリアまつり」の空間演出、クリスマスのライトアップを行います。さらに、まちそのものを調査し、活性化提案に取り組みます。
3年生になるとメンバーは設計班と都市班に分かれて活動します。設計班は今年度は外部休憩所の設計を行い、都市班は連携推進室が主催する地域支援イベント“つぶやきを形にするまづるくり学校”に参加しました。
4年生と院生は、異分野連携による新築設計プロジェクト「BIMプロジェクト」を行いました。BIM(Building Information Modeking)とは3次元設計、属性情報利用、分野間およびライフサイクル全体での一貫したデータ連携などによって、設計-生産-維持管理をより円滑に統合化するもので、近年業界に浸透してきました。活動分野が広くハードですが、プロジェクト名のとおりいろいろなカラーがあり、興味深く取り組めます。BIMは10名ほどのメンバーで取り組み、広報資料管理や材料の管理など、ほとんどの運営を学生自身で行うのが特徴です。


「カメリアまつり」における空間装置の設置風景

「カメリアまつり」で開いたチャレンジ教室で
子どもたちが制作した行燈
地域との結びつきのなかで学習意欲を育む

いくつかのプロジェクトを簡単に説明します。これはカメリアまつりで子どもたちが遊べる遊具を制作している様子です。ほかにもクリスマスのライトアップなども行いました。これらの活動は比較的建築とつながった内容といえます。


クリスマスイベントのための空間デザインを行う

3年生からはより本格的な活動がはじまります。偶然もありますが、地域から学生や我々が望むテーマをいただくことができました。
それが野々市市富奥地区の防災コミュニティセンター内の休憩所の設計であり、地元の設計事務所と連携して取り組みました。デザインを提案し、3Dプリンターを用いて模型をつくるといった一連の設計プロセスを学ぶことができました。
学生が地域に出て、実践的な活動やものづくりを計画した際に、どのようなデザインがふさわしいのか、実際に完成後はどのような使い方ができるのか、それを考えるのが都市班です。都市班は、今年度“つぶやきを形にするまちづくり学校”をベースに、地域の調査やイベントを支援しました。そのひとつが野々市シャルソン のモデルルートと地域資源のマップの制作です。
さらに、そのように地域のイベントに積極的にかかわる3年生の姿を見た刺激を受けた下級生が、新しい試みとして始めたのが「LoCoプロジェクト」です。具体的には野々市市の富奥、本町という2地区でさらに調査を進め、富奥でマルシェを開催したり、本町地区に本棚を設置する案を提案。地域の住民や野々市市役所の方を招いて提案内容を聞いていただきました。


設計事務所スタッフより
指導を受けるプロジェクトメンバー

完成した休憩所

LoCoプロジェクトによる交流会(本学12号館)

4年生では、実際に新築の建物の設計を行います。BIM(3次元設計)技術を用いつつ意匠や周囲の環境を考慮し、外部建築家と共同で実施しました。今年度はそれが活動の中心でした。
プロジェクトの内容が多岐にわたりますが、できる限り先輩が後輩を指導する体制を構築するように促しています。なぜなら教えることによって学ぶことができるからです。年に2回成果報告会を開き、情報を共有できるようにしています。


Toiro内の成果報告会

ここまでご紹介してきたプロジェクトの内容は授業でも紹介し、授業内容との関連性も説明しています。
現状の成果としては、学生の専門性・意欲・行動が地域と密接に噛みあいはじめているのを実感しています。今後は個々の活動間のつながりや全体としての一貫性を考察・改善することで、より実りの多いプロジェクトにしていきたいと思っております。
以上で発表を終わります。ありがとうございました。

※野々市シャルソン/シャルソンはソーシャルマラソンの略。おそろいのTシャツを着た参加者がまちに設けられたポイントで他の参加者や店舗の人と交流を深める。

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