平成25年度「地(知)の拠点整備事業(大学COC事業)」採択 地域志向「教育改革」による人材育成イノベーションの実践

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KITトピックス/活動報告(平成26年度)

Machine Tools Enthusiastプロジェクト 工学部機械工学科 教授 森本喜隆

プロジェクト概要

メンバー
プロジェクトリーダー 機械工学科 教授 森本喜隆
参加企業 澁谷工業、高松機械工業、津田駒工業、中村留精密工業
参加教員 佐藤恵一教授(流体工学)、新谷一博教授(生産加工学)、高野則之教授(計測・制御工学)、十河憲夫教授(熱、設計工学)、加藤秀治教授(生産加工学)、瀬川明夫准教授(塑性加工学)、杉本康弘准教授(流体工学)、田中基嗣准教授(材料力学)、山岡英孝講師(数理基礎教育課程)、高杉敬吾講師(振動、生産システム工学、工作機械)、森本喜隆教授(振動、制御工学、工作機械 )
参加者

学部1~3年生/約660名
研究室所属学生(大学院生含む)/約7名
外部参加者数/55名

内容
  • 各社の技術者による出前授業を学年ごとに半期に一度開催
  • 教員の専門分野で工作機械に関連したテーマを示し、これに関心を持った技術者が各教員の下で研修を受講
  • テーマごとの実践講習会(外部講師含む)
  • 共同研究の推進
  • 社会人博士(修士)の養成
  • インターンシップ(学部、大学院)
  • 地域連携、社会貢献

活動報告

地元の工作機械メーカーの発展に貢献

Machine Tools Enthusiastプロジェクト、略してMaTEと言っております。このプロジェクトについて活動報告をさせていただきます。「Machine Tools」は工作機械のことを指し、「Enthusiast」というのは熱狂的な信者を意味します。いわゆる「オタク系」の人間を表す際にそのような言葉が使われているようです。
このプロジェクトは、工作機械を好きになる学生の育成および企業の技術者の学び直しの機会にもなっております。石川県内には、多彩な分野の工作機械メーカーがあります。周辺機器を入れればその数は10社以上にのぼり、いずれも世界に製品を送り出しております。中には、製品別でトップ20位以内に入るメーカーも2社あり、石川県は工作機械関連産業が脈々と発展を続けている地域であると言えます。
本学では、地元工作機械メーカー技術者のさらなる技術力アップを図ることで地域の工作機械産業のますますの活性化に貢献しようと、このプロジェクトを立ち上げました。

参加企業と学生の双方にメリット

本学からも多くのOBが地元企業に就職しており、先輩技術者の活躍にふれることで、学生が5年後、10年後の自分の姿を想像できたり、あるいは先輩のようになりたいという未来像を描くキャリア形成も可能です。OBも含め、招いた技術者が技術開発について解説を行ったことで、学生の学修意欲も大いに高まったと思います。
石川県は、皆様もご存じのように、加賀百万石が産業発展の原点となりました。明治維新で一時人口が減ったこともありましたが、機械関連の産業では本プロジェクトに参加している「澁谷工業」「高松機械工業」「津田駒工業」「中村留精密工業」の4社が、野々市市、白山市、金沢市を拠点として発展してきました。MaTEはこの4社と連携し、技術者の教育と本学の学生への啓蒙を行っています。企業の技術者に対して我々から一方的にお願いするのはNGですし、逆に企業だけにメリットがあるのもいけません。技術者の教育は我々が受け持ち、技術者は授業に参加して学生に開発の現場について伝えてるという双方にメリットをもたらす形で進めております。
技術者を招いて行う出前授業は、各学年ごとに半期1度行ってきました。技術者に対して担当教員が工作機械を事例とする選択制の勉強会は、1つのテーマにつき実習や座学で3回程度実施しました。その場合、工作機械に特化した教え方はあまりしていないため、少し掘り下げて、それぞれ学んでみたいと思う人が、興味を持った授業に参加します。我々でカバーできない場合は外部から講師を招いて実践講習会を開催しました。


外部講師による技術者・学生向け特別講演会

本学教諭が企業の技術者を対象にした
実践講習会も開催
今後の展開について

今後の話ですが、それぞれの専門分野にどういう先生がいるのかもわかりましたから、社会人の博士や修士を本学に受け入れる、あるいはインターンシップで本学に受け入れるということも検討しております。それから就職に結びつける。結果的に社会貢献、あるいは地域連携を進めたいと計画しております。
成果として、どの程度科目に反映されたかを説明しますと、おおよそ14科目がこのプロジェクトに該当します。全科目の10%以上がかかわっているということになります。
技術者への講義は、体系化されたノウハウ、特化した理論、あるいは技術の実践講習を通じて、技術に深みを増していただくことをメーンに35回開催しました。

プロジェクトでは学生に対するアンケートも行いました。そこで興味深いのは学年が上がるにつれて工作機械メーカーへの認知度が高まっていることでした。4年次の学生は全員が参加企業の名前を知っていました。
同様に技術者に対しても受講アンケートを実施し、改善すべき点を洗い出し、今後の活動に生かしたいと思っています。参加企業の中には次年度20名ほどの技術者を参加させたいというお話もあり、検討中です。
今後は、カリキュラムにどこまで組み込めるかという課題に取り組み、より充実した内容にしていきたいと考えております。私からの発表は以上でございます。ありがとうございました。

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