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川﨑研究室でデザイン開発した平板構造システムが産学連携でプラスティック化。
家具棚試作品がTokyo International Gift Showで展示される


「The 83rd Tokyo International Gift Show」で展示された試作品


金沢工業大学の課外活動プログラム「KITオナーズプログラム」の月見光路プロジェクトやタテマチアートプロジェクトでデザイン開発してきた平板構造システム(Flexible Boarding System、以下「F.B.S.」)が石川県加賀市の石川樹脂工業株式会社によってこのたびプラスティック製造され、「テーブル」や「商品棚」の試作品が2017年2月1日から3日にかけて東京ビッグサイトで開催された「The 83rd Tokyo International Gift Show -spring 2017-」(東ホール、東3-T37)で展示されました。
来場者の注目を集め、製品化に向けた検討もされています。


「F.B.S.」は2013年に建築デザイン学科の川﨑研究室の学生達が考案した構造システムです。
240mmあるいは300mm四方の平板の4辺に溝を設け、これらを相互に立体的にかみ合わせて空間構築する柔軟構造システムとなっています。





月見光路プロジェクトやタテマチアートプロジェクトではこの「F.B.S.」を利用して椅子やテーブル、仮設店舗ブースなどを制作し、金沢中心部のにぎわい創出に貢献してきました。
これらの取り組みは日本建築学会や日本図学会で研究成果として発表されるとともに、石川県デザイン展や学生デザイン競技でも発表され、高い評価を受けてきました*。


さらに2014年には立山科学工業株式会社(富山市)のフレキシブルLED電極シートを実装した「つきみcafe/bar」の制作や、2015年には株式会社トーケン(金沢市)の壁面緑化材を組み込んだ「Organic cafe」の制作を行い、照明や緑化材を組み込んだ多機能「F.B.S.」開発を産学連携で実施してきました。



「つきみcafe/bar」(金澤月見光路2014)





「Organic cafe」(2015年)




ワークショップでの「F.B.S.」使用例(金澤月見光路2016)




金沢工業大学の学生が制作した灯りのオブジェが彩る「金澤月見光路」
金沢の秋の風物詩として親しまれている




今回「F.B.S.」のプラスティック化に取り組んだ石川樹脂工業は、食器などを中心としたプラスティック製品の開発・製造を行う企業です。
同社ではそれらの製品をより魅力的にディスプレイする家具棚として「F.B.S.」の利用を検討していました。


2016年後半から金沢工業大学扇が丘キャンパス内にあるアントレプレナーズラボにおいて石川樹脂工業や立山科学工業、および金沢工業大学の大学院生・ゼミ生が参加するF.B.S.研究会を開催し、「F.B.S.」の特徴やプラスティック化の課題など検討し、2017年1月24日に試作品がプラスティックで製造されました。


従来は木材を中心に使用してきた「F.B.S.」ですが、プラスティック化されたことで軽量な透明板となり、厚みが薄くエッジ部分にアールがとられるなど、機能が向上しました。
東京ビッグサイトの展示ブースにはプラスティックF.B.S.のテーブルや商品棚が設置され、その周辺には彩りのある様々なプラスティック製品がレイアウトされ、来場者の注目を集めました。





このプラスティックF.B.S.は本年2月9日(木)に行われる修士研究発表会(発表者 大学院建築学専攻・浦口昂久さん)でも実物展示される予定です。


なお、この産学連携のきっかけは経営情報学科松林研究室が進めるDK art cafe (金沢市竪町)で行われたアイデアソンから生まれたもので、DK art cafe の活動目標である地方創成事業の成果ともいえます。



*F.B.S.を利用したデザイン成果に対しての表彰実績
・「ロマンティックタテマチ」日本図学会中部支部冬季例会 奨励賞 浦口昻久・川﨑寧史(2015)
・第42回石川県デザイン展 石川県観光連盟理事長賞 川﨑研究室(2015)
・「主張する『みせ』学生デザインコンペ」 奨励部門賞 川﨑研究室:浦口昂久、池ヶ谷祐輔(2016)

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