記事詳細

竹内研究室が取り組んだ「しお・CAFE」がグッドデザイン賞受賞

建築デザイン学科 竹内研究室(指導教員 竹内申一准教授)が取り組んだ「しお・CAFE」が2015年度グッドデザイン賞を受賞しました。

金沢工業大学のグッドデザイン賞受賞は2009年度の「月見光路」に続き2度めです。表彰式は11月 4日(水)にザ・リッツ・カールトン東京で行われました。

「しお・CAFE」は能登半島の先端、珠洲市片岩町にある居住者9名の限界集落に計画されました。能登の海塩水を使った「しおサイダー」などの商品開発を手掛ける株式会社アンテから、日本海に面した古民家をカフェとして改修したいという依頼を竹内研究室が受け、2013年10月にプロジェクトがスタートしました。

「能登の限界集落にあたらしい風を起こしたい」というクライアントの思いから、竹内研究室は「能登の限界集落に風穴を開ける」をプロジェクト全体のコンセプトに掲げました。そして既存の建物や風景をあまり変えずに、改修した建物に穴を開けるという大胆な手法を取り入れました。

建物に穿たれた穴は、里海と里山の風景をつなぐだけでなく、集落や地域にあたらしい風を吹き込み、多くの人々をつないでゆくこれからの村の在り方を象徴しています。

竹内研究室竹内研究室は頻繁に珠洲市片岩町に足を運び、設計だけではなく、施工にも学生が参加しました。また海岸の流木の片付けなど、日頃、高齢者が出来ない作業にも積極的に取り組み、住民との交流を深めました。

こうして改修が進められた「しお・CAFE」は2014年8月1日にオープンしました。オープン当日は、居住者が少なくなり長年担ぎ出されることがなかったキリコも住民と学生達の手で久しぶりに立てられ、一緒になってオープンを祝いました。

「しお・CAFE」は、県内外からたくさんの人が訪れる人気カフェとなっています。まさに人と人とをつなぐ象徴となっているのです。

グッドデザイン賞審査委員の評価

グッドデザイン賞webページ(http://www.g-mark.org/award/describe/42947)より

地方大学の研究室が、限界集落に提案した古民家改修のプロジェクトである。学生が設計、見積もり、契約、施工、運営に参加することで、現場のデザイン教育になっており、将来的に地方のコミュニティと関わる人材を育成する契機になるだろう。新しくつけたすのではなく、むしろヴォリュームをかきとる引き算によって、見通しを確保し、海と山への視線をつなぐシンプルな操作が優れている。またアルミパネルの素材が、反射によって風景のイメージを増幅させる。

しお・CAFE

KIT金沢工業大学

  • Hi-Service Japan 300
  • JIHEE
  • JUAA
  • SDGs

KIT(ケイアイティ)は金沢工業大学のブランドネームです。

Copyright © Kanazawa Institute of Technology. All Rights Reserved.