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NASA
Apollo 11 Mission Commentary.
7-20-69, "First steps on Moon".

アメリカ航空宇宙局(NASA)
アポロ11号任務記録(月着陸交信記録)
ヒューストン, 1969年 7月20日配布.

 第二次世界大戦末期、敗色濃いナチスで、ロケット技術が兵器として実用化されました。有名なV−2ロケットです。この弾道ロケットは、イギリス、ロンドンの都市攻撃につかわれ、大きな被害を与えましたが、ドイツの敗北を止めることは出来ませんでした。ドイツを占領したアメリカ軍とソヴィエト軍は、ドイツのロケット研究成果を分け取りする形で本国へ持ち返りました。これが現在の両国の宇宙開発の基礎となったのです。Vー2計画の開発者、フォン・ブラウンはアメリカに投降し、戦後のアメリカのロケット計画を指導します。始め、弾道核ミサイル開発として研究されたロケット技術は、人工衛星の打ち上げから次第に、人類の夢の実現としての性格も備えて来ます。そのひとつの到達点が、1969年7月20日に実現した人類初の月着陸でした。これを可能にするためには、単にロケット技術や通信技術、制御技術のみならず、紀元前のギリシア以来、プトレマイオスやコペルニクス、ケプラー、ニュートンに至る天体力学、天文学の全成果を踏まえて可能となったのでした。その意味で、この事件は或る意味で人間の科学技術研究の一つの集大成といえるでしょう。この月着陸船との交信記録のタイプ文書は、この日、固唾をのんで見守っていた記者団に交信終了直ちに配布されたものです。
 

金沢工業大学ライブラリーセンター所蔵