ダイナモ発電機 : 特許説明書、特許番号No.297, 587
1884年
トーマス・オールヴァ・エディソン(1847-1931)
 1831年にファラデーとジョージフ・ヘンリーによってほぼ同時に発見された電磁誘導現象の発見は、直ちに機械的な力によって強力な電流を継続的に作り出すこと、つまり、機械力の電気力への変換の試みにつながりました。最初は永久磁石の極の間でコイルを回転させることにより、次いで電磁石の極の間でそれを行う事により、発電機が考察されました。この分野で最も重要な貢献をしたのは、元プロイセン陸軍将校でジーメンス社の創立者となったフォン・ジーメンスでした。彼は1866年に、いわゆる「ダイナモの原理」を導いたのです。それは電流を発生させる為に必要な磁場を極に残る残留磁気を利用して、その発電機自体によって起こされる電流によってつくるというものでした。この原理を用いて、その後、様々の型の発電機が考察されましたが、その中で最も成功したのが、エディソンによる発電機でした。
 エディソンは既に1879年電球を発明し、1882年にはニューヨークにエディソン電気照明会社を設立して、そのパール街発電所からの電気で 800個の電燈サービスを供給していました。同年には最初の水力発電所もウィスコンシン州に設けられています。本書は更に優秀な効率の良い発電機を彼の電燈事業の為に開発し、特許を取得した時に提出した、その時の説明書です。