卓越せる数学者の全集
1537年
ペルガエウス・アポロニウス(c. 245-190 B.C)
 アポロニウスは、ペルゲ(現在はトルコ)出身なので、普通ペルゲのアポロニウスと呼ばれています。彼はアレクサンドリアで、ユークリッドに数学を学んだことはほぼ確実なようです。死ぬまでアレクサンドリアに止まって数学を研究し、また教えましたが、ギリシア最大の幾何学者の一人となりました。彼の最も重要な研究は、円錐を平面で切った時に、円錐曲面と平面とが交わった処に出来る曲線、つまり円錐曲線を研究し三種の曲線を区別して、それらを楕円、放物線、双曲線と名付けたのです。彼はこれ等の語を創ったばかりでなく、それらの完全な定義を与え、ユークリッドにならってそこから引き出された諸命題を体系付けたのです。或る意味でアポロニウスは現代の解析幾何学を準備したと言えるでしょう。後になって、ケプラーやニュートンが天体の軌道の計算を試みた時、彼の理論が非常に役立ったのでした。この研究によって、ギリシア数学はその最高潮に達しました。彼の円錐曲線論は全部で8巻あり、そのうち7巻が現在に伝わっています。本書はその第4巻を収めたもので、アポロニウスの著作の最初の出版であり、また最初のラテン語訳で、バプティスタ・メムスによって直接ギリシア語原典から訳されたものです。