環境系 教育目標

環境系教育プログラムは、技術者として修得すべき能力を以下の三つに大別し、それぞれの能力に対して学習・教育目標を設定している。

第一のグループである『技術者基礎能力』は、技術者として社会に貢献すると共に、次世代の新しい科学や技術の発展と伝承を担うことができる技術者に共通な資質の育成を目的としている。

第二のグループである『専門基礎能力』は、環境系技術者として活躍するために必要な環境工学分野での環境分析、汚染物質分析、材料の環境劣化、環境管理・保全等の専門的な環境分析・評価・管理の基礎能力、および土木工学分野での数理能力に基づく計画、設計、施工、保全、建設マネジメント等の基礎能力に関する知識を修得することによって、環境工学と土木工学の両分野の知識が相互に融合して環境系の問題解決に応用できる基礎能力、設計解を考えて具体的な設計案に纏め上げることができる基礎能力の育成を目的としている。

第三のグループである『統合的応用能力』は、学生が学んできた工学知識の重要性を確実に理解し、それらを技術者のツールとして使いこなすために、統合的に工学創生を行なうことができる応用能力の育成を目的としている。この目標群の能力育成は、主に、専門コア科目群および工学設計Vが担当する。

なお、工学設計Vでは、単に専門的な研究のみに偏るのではなく、実際の工業社会で問題になる様々な困難に注目し、工学設計問題として取り組むテーマも推奨されている。

学習・教育目標
I.技術者基礎能力
A 自己啓発・自己管理能力
自己の能力を正しく認識し、自己啓発を継続し、自己管理能力を高め、自己実現への努力を続けることができる。
B 問題発見・問題解決能力
技術者としての責任感や倫理観、進歩発展に対する意欲などに基づいて社会活動の中で解決すべき工学的諸問題が発見でき、様々な知識を集約しながら、問題を分析し、解決案を導くことができる。
C コミュニケーション能力
説得力のある報告書を書く能力とともに、図形、口頭発表、討議等によって他人と効果的な情報交換ができ、さらに日本語や外国語を用いて意見や自分の考えを伝えることができる。
D 技術者の倫理的判断能力
国際的な環境の中で働く技術者として、適切な意思決定と行動ができるように幅広い倫理観・国家観・世界観・歴史観を涵養するとともに、科学・技術が社会および自然に及ぼす影響や効果を総合的に洞察すると共に理解でき、社会に対する責任を自覚することができる。
E 多様な価値観の理解能力
世界の中における日本の位置と役割について洞察し、人間の本性および人類が持つ多様な価値観に関する理解を深めることができる。
F 現象のモデル化と分析能力
数学や物理学、化学を工学のツールとして利用しながら、様々な工学的問題を数学的にモデル化し、工学的現象の本質を理解し、分析し、予測し、最適な解を求めることができる。
G コンピュータリテラシー:
ワードプロセッサーや表計算ソフトウエアなどのコンピュータ・リテラシー ツールを充分に活用でき、日常の勉学やプロジェクト活動において迅速な問題処理と効果的なコミュニケーションを図ることができる。.
II.専門基礎能力
H 力学・物理化学・材料
構造、土質、水理などに係わる基礎科目および応用科目に必要なそれぞれの分野の力学に関する知識、および環境工学関連の水質・大気・土壌汚染、廃棄物,材料のリサイクルや環境劣化、環境モニタリング、環境浄化材料、化学的水浄化などに係わる現象と処理法を理解するために必要な物理化学や材料の環境劣化に関する能力を身につける。
I 調査・設計
自然および社会基盤の計画・設計に必要な分野(測量学、交通工学、環境情報処理、環境情報計測など)を理解し、環境系における社会基盤を構成する構造物の設計から人間の生活環境に係わる調査・解析(水、大気、土壌の汚染など)について理解し、自ら実行できる能力を身につける。
J 施工・保全
社会基盤施設の具体的な建造分野(土木施工学、土木施設工学、鋼構造工学、コンクリート構造工学など)に必要な能力を理解する。また、自然環境や社会基盤の保全や管理に必要な分野(環境リスク管理、廃棄物・環境管理工学、環境評価、環境分析化学、地域保全工学,土木法規、建設マネジメント学など)の知識を理解する。これらの知識から社会基盤施設や化学プラント等の保全およびよりよい生活環境に係わる適切な評価およびコンサルテイングができる能力を身につける。
III.統合的応用力
K 情報分析・管理能力
複雑化し高度化する社会に迅速に対処するため、専門基礎能力で身につけた能力を効果的に利活用できる能力、また環境系専門分野の高度化,先端化に対応できるよう先端的なエンジニアリング・ソフトウエアなどの理論と使用法を理解できる能力を身につける。
L 統合化能力
環境系の学問体系は自然や社会環境に立脚しているため学際的な色彩が強く、システム化・統合化が必要不可欠である。環境系での調査・計測から保全・管理に至る様々な過程で、現実には極めて複雑な工学的問題を統合的に考えることができる能力を身につける。
M 工学創生能力
技術者基礎能力および専門基礎能力の育成によって身についた能力を持もって、環境質保全、環境情報計画、環境調和システム、国土デザインおよび社会基盤システムの分野において、環境系におけるより専門的な知識・技術を学び、課題を探求し、環境と共生できる社会基盤を創生する能力を身につける。

平成15年4月1日

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